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Wi-Fi 6からWi-Fi 7へ ― 無線ネットワークはどう変わるのか?

こんにちは、クレスコ・デジタルテクノロジーズのR.B.B.M.です。今回は、次世代無線ネットワークの規格「Wi-Fi 7」をテーマに、その特徴や従来規格との違い、日本における制度整備の動きを整理します。
あわせて、Fortinet社のWi-Fi 7対応アクセスポイント FortiAP 441Kを借りて進めている先行評価についてもご紹介します。

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目次[非表示]

  1. 1.無線ネットワークに広がる新しい選択肢
    1. 1.1.Wi-Fi 6とWi-Fi 7の違い
    2. 1.2.Wi-Fi 6に残されていた課題
  2. 2.Wi-Fi 7で変わる無線ネットワーク
    1. 2.1.MLO(Multi-Link Operation):複数周波数帯を同時利用
    2. 2.2.広帯域と4096QAM:より多く、より速く
    3. 2.3.日本における制度
  3. 3.「CROSS for Fortinet セキュリティSDブランチ」の進化
  4. 4.まとめ
  5. 5.引用元

無線ネットワークに広がる新しい選択肢

オフィスの会議室では複数の参加者が同時にWeb会議にアクセスし、工場や倉庫では無数のセンサーや端末が無線で稼働しています。ネットワークに求められるのは「高速」だけでなく、「切れないこと」「遅れないこと」。
その背景には、有線に頼らず無線で接続する場面が増えているという現実があります。無線LANはもはや補助的なアクセス手段ではなく、主要なネットワーク接続方法として存在感を高めているのです。

そうした要望に応える存在として登場したのが、次世代の無線規格Wi-Fi 7IEEE 802.11be)です。Wi-Fi Allianceの認証が始まり、日本でも総務省による制度整備が進められています。では、この新しい規格は従来のWi-Fi 6とどう違い、無線ネットワークにどんな変化をもたらすのでしょうか。

Wi-Fi 6とWi-Fi 7の違い

Wi-Fi 6に残されていた課題

Wi-Fi 6OFDMAMU-MIMOによって効率的な通信を実現しましたが、混雑した環境での遅延や、大容量通信のアプリ利用時の実効速度低下といった課題が残っていました。
また、利用できる帯域はどれか単一で、電波環境の影響を強く受けるため、会議中の映像途切れや不安定な動作が起こりやすい状況でした。

Wi-Fi 7
は、こうした課題を解消するために新しい技術を組み込み、無線の品質を大きく進化させています。


Wi-Fi 7で変わる無線ネットワーク

従来規格と比べ「さらに速い」だけでなく、無線ネットワークにおける信頼性と遅延改善を大幅に強化するのが特徴です。

MLO(Multi-Link Operation):複数周波数帯を同時利用

最大の進化はなんといってもMLOです。

2.4GHz5GHz6GHzの周波数を同時に束ねて利用することで、通信速度の向上、遅延の低減、そして安定性の強化を同時に実現します。混雑した帯域を自動的に回避しながら複数の通信経路を並列活用するため、従来の規格に比べて高速かつ途切れにくい無線通信が可能になります。

  • 会議室利用:複数端末が同時に接続しても、音声や映像が途切れにくい
  • 倉庫・工場:IoTセンサーやハンディ端末が安定稼働し、生産ラインが止まりにくい  など

これまで「どの帯域に接続するか」を選ばざるを得なかった設計から、「複数の帯域を同時に活用する」設計へと変わることで、無線の安定性が飛躍的に高まります。

広帯域と4096QAM:より多く、より速く

最大320MHz幅のチャネル利用と、4096QAMによる高効率変調に対応します。国内では160MHz幅が前提ですが、MLOと組み合わせることで実効速度は大幅に向上します。
特に大容量データの転送や高精細映像の共有など、従来は有線でしか難しかった業務にも無線で応えられる可能性があります。



その他、Wi-Fi 7には無線リソースを最大限に活用するための工夫が盛り込まれています。

  • パンクチャリング:干渉チャネルを除外して残りを効率利用
  • Multi-RU:接続端末へ複数のリソースユニット割当

これにより、Web会議やVDI、AR/VR、遠隔制御といったリアルタイム性が求められる業務でも、安定した利用が可能となります。



このように、Wi-Fi 7は技術面で大きな進化を遂げていますが、実際にその能力をフルに発揮できるかどうかは、アクセスポイントを設置する場所の法律や制度に左右されます。

日本における制度

総務省は6GHz帯のWi-Fi 6Eをすでに制度化し、さらにWi-Fi 7を見据えた広帯域無線LANの制度改正を進めています。
現時点で国内の利用幅は160MHzが上限ですが、AFC(自動周波数調整)を含む新たな仕組みの検討も進められており、今後の省令改正によって利用シーンはさらに広がる見込みです。


CROSS for Fortinet セキュリティSDブランチ」の進化

当社のネットワークパッケージ「CROSS for Fortinet セキュリティSDブランチ」では、AP部分にFortiAP 231Gを組み込んでいました。しかし231Gの販売終了に伴い、今後はWi-Fi 7対応の後継機231Kを標準モデルとしてパッケージに採用する計画です。
これにより、CROSSWi-Fi 7に対応、より低遅延・高安定なセキュアネットワーキング環境をスピーディーにお客様へ提供できるようになります。

ただし、231Kはまだ日本国内ではリリースされていません。そこで、フォーティネットジャパン様・日立ソリューションズ様のご協力を得て、国内リリース済みのWi-Fi 7対応アクセスポイント「FortiAP 441K」をお借りし、Wi-Fi 7部分の検証や評価・準備を進めています。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

このFortiAP 441Kは、クアッドラジオを搭載した屋内用のフラッグシップモデルで、4×4 11be / 6GHz対応APとしてWi-Fi 7の能力を余すところなく実装した製品です。

データシートはこちら 

231G441Kをサイズ比較するとこんな感じです。(かなり巨大、そして光沢な天板)



機能面については現在評価中なので、今後別途ご紹介できればと思います。。。


まとめ

本ブログでは、Wi-Fi 7の特徴と進化ポイント、そして日本における制度整備の動きをご紹介しました。Wi-Fi 7は単なる速度向上ではなく、低遅延・高安定を実現することで無線ネットワークを一段進化させる規格です。国内でも制度整備が進み、実用化に向けた環境が整いつつあります。

FortiAP 441K
での先行評価を通じ、「CROSS for Fortinet セキュリティSDブランチ」をより時代やニーズに沿ったパッケージへの進化を進めています。シンプルかつスピーディーに導入できるセキュアな「新」ネットワークパッケージは間もなく発表予定です。


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引用元

https://www.juniper.net/jp/ja/research-topics/what-is-wi-fi-7.html

https://www.soumu.go.jp/main_content/000999375.pdf

R.B.B.M.
R.B.B.M.
部署名:アドバンストテクノロジーオフィス

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