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監視ツールZabbixとは?バージョン7.0 LTS最新機能も紹介!

こんにちは。クレスコ・デジタルテクノロジーズのA.Nです。
2022年度に入社し、2年間セキュリティエンジニアとしてZabbixを使用した監視業務に携わっています。
本記事では監視ツールであるZabbixのメリットや仕組み、最新機能をご紹介します。
監視はシステムを運用するうえで不可欠な要素なので、Zabbixでどんなことができるのか知っていただけたら嬉しいです。


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目次[非表示]

  1. 1.Zabbixとは?
  2. 2.Zabbixを使用するメリット
  3. 3.Zabbixの仕組み、どうやって監視しているの?
  4. 4.Zabbix7.0 LTSの新機能を設定してみた!
  5. 5.まとめ
  6. 6.引用元


Zabbixとは?



Zabbixとは、サーバやネットワーク機器、アプリケーションなどのパフォーマンスを監視するオープンソースの統合監視ソフトウェアです。
 
図のように機器から定期的に情報を取得し、異常の発生、または発生する予兆を検知・通知することができます。
機器の監視以外にもウィジェットを使用した稼働状態の可視化や、登録したスクリプトで自動復旧させるなど、機能は多岐にわたります。
 
定期的にアップデートがあり、2024年6月にリリースされたZabbix 7.0 LTSでは、Zabbixプロキシのロードバランサー機能、Webインターフェースにアクセスする際の多要素認証機能、新規テンプレート、データ収集の効率化などが実装されました。
 
普段の業務では、Zabbixの監視設定追加・変更・削除を行っています。Zabbixを使用することで様々なシステムに合った監視設定の一元管理が実現できます。


Zabbixを使用するメリット

Zabbixを使用する主なメリットを紹介します。

1 .無償で利用可能
ZabbixはOSSなのでコストを気にせず導入でき、構築費用を抑えることができます。
また各コミュニティの豊富なプラグインやスクリプトが使用できます。
 
2.柔軟性の高い監視
どのように値を取得するか、どんな状態になったら障害とするか、どのようにして知らせるのかなど様々な組み合わせで監視を実装できます。後述するホストやアイテム、トリガー、アクションなどを組み合わせることで柔軟性の高い監視設定を行うことが可能です。
 
3.高可用性
Zabbix 6.0からサードパティ製品を使用しなくても冗長構成(Active/Standby)を実現することが可能となり、Zabbix自体に障害が発生した場合でも問題なく監視サービスを継続できます。
 
4.データの可視化
取得したデータをグラフで表示、発生した障害の範囲をトポロジーマップで表示、直近1ヶ月で取得したデータから機器のパフォーマンスなどをレポートに出力し送信するなど、情報を可視化することにも優れています。
 
5.拡張性
Zabbixプロキシを使用することで別拠点の監視を簡単に行えます。
Zabbixプロキシとは、Zabbixサーバの代わりに監視データを取得してくるサーバのことです。

ファイヤーウォールを跨いだ環境にある機器を監視する際、ZabbixサーバとZabbixプロキシ間の通信許可のみで監視が実現可能になります。



Zabbixサーバは基本的に全ての機器と通信する必要があります。業務では、お客様の環境ごとにZabbixプロキシを用意し、監視対象が追加削除となる度にFWの設定変更が起こらないように工夫しています。


Zabbixの仕組み、どうやって監視しているの?



Zabbixでどのように監視対象機器から値を取得し、障害を検知・通知しているのか解説します。
 
Zabbixで監視を行うとき主にホスト、アイテム、トリガー、アクションの4つを設定します。

1.ホスト
監視したい対象について設定する場所です。監視する対象のホスト名やIPアドレスなどを設定することができます。
 
2.アイテム
どのように監視対象から値を取得するか設定する場所です。エージェントを使用したZabbixエージェント、SNMPエージェントやエージェントレスなSNMPトラップ、ICMPなど取得方法を設定することができます。
 
3.トリガー
障害と判断するための基準を設定する場所です。Zabbix固有の関数を使用して、障害と判断するための閾値や文字列を設定します。
また、発生した障害の復旧を判断する条件もここで設定できます。
 
4.アクション
障害が発生した際に、何を行うかを設定する場所です。スクリプトの実行や、運用員へのメール通知などが可能です。
 
このように、Zabbixではホスト、アイテム、トリガー、アクションを組み合わせることで、柔軟な監視を行うことができます。
業務では、アクションで運用員へのメール通知に加え、スクリプト実行によるパトライト鳴動を設定しています。二重に通知することで障害の見落としがないように工夫しています。


Zabbix7.0 LTSの新機能を設定してみた!

バージョン7.0 LTSの新機能「Zabbixプロキシのロードバランシング機能」を実際に設定し、検証してみました。
 
Zabbixプロキシのロードバランシング機能とは、Zabbixプロキシをグループに所属させることで自動的に監視の負荷分散を行ってくれる機能です。またZabbixプロキシ自体に障害が発生した場合、グループ内にある残りのZabbixプロキシに監視を分散させることで可用性も高めることができます。

今回はプロキシグループに所属したZabbixプロキシサーバ1・2号機が問題なく切り替わるのかを検証します。


1.プロキシグループの作成



[管理]→[プロキシグループ]に今回使用する2台のZabbixプロキシサーバをまとめるグループを作成します。

2.Zabbixプロキシをグループに追加



[管理]→[プロキシ]から今回使用する2台のZabbixプロキシサーバを作成したプロキシグループに追加します。
追加後、名前の先頭にプロキシグループの記載があることを確認します。


3.Zabbixプロキシサーバの事前状態確認



2台のZabbixプロキシサーバがオンラインになっているか、現在1・2号機のどちらが値を取得しているかを確認します。



4.Zabbixプロキシサーバ1号機停止

値を取得しているZabbixプロキシサーバ1号機を停止させます。



5.Zabbixプロキシサーバの事後状態確認

停止したZabbixプロキシサーバ1号機がオフラインになっていること、監視対象から値を取得しているサーバがZabbixプロキシサーバ2号機に変更されていることを確認します。



【検証結果】
プロキシグループを使用することにより、Zabbixプロキシサーバ1号機を停止させても、Zabbixプロキシサーバ2号機に切り替わり監視を継続させることができました。


まとめ

以上、監視ツールのZabbixについてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。
今回の記事をきっかけに、Zabbixについて興味を持っていただけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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引用元

https://blog.zabbix.com/zabbix-7-0-proxy-load-balancing/28173/

https://www.zabbix.com/documentation/current/en/manual/web_interface/frontend_sections/administration/proxy_groups

A.N
A.N
部署名:プロフェッショナルサービス3部

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