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BIG-IP LTMの冗長化方式とは?

クレスコデジタルテクノロジーズのT.Nと申します。
今回は負荷分散装置 BIG-IP LTMの冗長化方式とその注意点についてご紹介させていただきます。


■前回の記事はこちら↓
前回ブログ記事:「ロードバランサーBIG-IPとは?負荷分散の仕組みについても解説 」

  ロードバランサーBIG-IPとは?負荷分散の仕組みについても解説 こんにちは。クレスコ・デジタルテクノロジーズのWKです。 2022年度に入社し、現在はBIG-IP構築支援の業務を担当しています。 本記事ではサーバ運用で重要な働きを担うロードバランサー「BIG-IP」についてご紹介します。 BIG-IPを初めて聞いたという方にも、名前は聞いたことあるけどよくわからないという方にも、 こんな風に動いているんだと興味を持っていただけたら嬉しいです。 株式会社クレスコ・デジタルテクノロジーズ


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目次[非表示]

  1. 1.BIG-IP LTMとは
  2. 2.BIG-IP LTMにおける冗長化
  3. 3.Serial FailOver方式
  4. 4.Network FailOver方式
  5. 5.Serial FailOver方式+Network FailOver方式(推奨)
  6. 6.MGMTポートとLANポートによるNetwork FailOver方式(推奨)
  7. 7.冗長化方式検討時の注意点
  8. 8.まとめ
  9. 9.引用元


BIG-IP LTMとは

BIG-IPは、F5ネットワークス(F5 Networks)社が開発・販売している通信制御装置などの製品群のブランド名です。この製品シリーズは、負荷分散装置を中心とした機器や関連ソフトウェアで構成されており、大規模なネットワークサービスを提供する企業などで使用されております。
 
今回ご紹介するBIG-IP Local Traffic Manager (LTM)は、クライアントとサーバーの間に配置され、BIG-IP に設定された仮想サーバを経由してトラフィックを管理します。
これにより、ネットワークトラフィックを制御し、サーバーのパフォーマンス、セキュリティ、可用性に応じて最適な接続先サーバーを選択できます。
 
BIG-IP LTMには、以下の機能がございます。
 ・負荷分散
 アプリケーションサーバーへのトラフィックを均等に分散し、高い可用性とパフォーマンスを実現します。
 ・SSLオフロード
 暗号化・復号化処理を行い、サーバーの負荷を軽減します。
 ・アプリケーションの最適化
 キャッシュ、圧縮、コネクションプールなどの機能により、アプリケーションのパフォーマンスを向上させます。
 ・セキュリティ機能
 アプリケーション層の攻撃から保護するための機能を提供します。
 
本記事では上記機能について触れませんが、BIG-IPの負荷分散機能については、以下記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご参照ください。


BIG-IP LTMにおける冗長化

冗長化とは、機器やシステムの構成要素について、同じ機能や役割の要素をあらかじめ複数用意しておき、異状が発生した際に肩代わりできるよう、待機させておくことです。
一部の機能が損なわれてもシステム全体が停止することを防ぎ、運用を継続することが可能となります。



BIG-IP LTMにおける冗長化方式は、以下に分類されます。
・Serial FailOver方式
・Network FailOver方式
・Serial FailOver方式+Network FailOver方式
・MGMTポートとLANポートによるNetwork FailOver方式



Serial FailOver方式

Serial FailOver方式は、BIG-IP LTMのFailOverポート間に専用シリアルケーブルを接続して冗長化する方式です。
副系機器から正系機器のシリアルポートの電圧を監視し、電圧がなくなったことを検知した際に、副系機器がActive状態に切り替わります。
 
Serial FailOver方式の注意点
専用シリアルケーブルのケーブル長は、15mまでという制約があります。
また、専用シリアルケーブルが故障した際に、正系機器は正常にもかかわらず、副系機器からの電圧確認が不可となるため、副系機器もActive状態に切り替わり、正系機器と副系機器がActive/Active状態となるリスクがあります。



Network FailOver方式

Network FailOver方式は、BIG-IP LTMのLANポート間にLANケーブルを接続して冗長化する方式です。
LANケーブルを使用して正系機器と副系機器間でハートビート通信を発生させ、ハートビート通信が途絶えたことを検知した際に、副系機器がActive状態に切り替わります。
 
Network FailOver方式の注意点
LANケーブルのケーブル長は100mまでという制約があります。
また、LANケーブルが故障した場合、正系機器は正常にもかかわらず、副系機器とのハートビート通信が途絶えるため、副系機器もActive状態に切り替わり、正系機器と副系機器がActive/Active状態となるリスクがあります。



Serial FailOver方式+Network FailOver方式(推奨)

Serial FailOver方式とNetwork FailOver方式を組み合わせた冗長化方式です。シリアルポートの電圧がなくなったこと、もしくはLANケーブルのハートビート通信が途絶えたことを検知した際に、副系機器がActive状態に切り替わります。
 
ケーブル故障が発生しても、LANケーブルと専用シリアルケーブルの二重障害が発生しない限り、Active/Active状態に切り替わるリスクがなくなります。



MGMTポートとLANポートによるNetwork FailOver方式(推奨)

Serial FailOver方式+Network FailOver方式が使用できない場合、MGMTポート間とLANポート間の
2ポート間をLANケーブル接続することで、Serial FailOver方式+Network FailOver方式と同様に、
ケーブル故障が発生しても二重障害が発生しない限りは、副系機器がActive状態に切り替わるリスクがなくなります。



冗長化方式検討時の注意点

今回は冗長化方式について紹介しましたが、冗長化方式を検討する際には、他にも以下に注意する必要があります。
 
・機器の配置構成
 冗長化方式に対応したケーブルを使用する必要があり、使用するケーブルの種類によって長さ制限があります。
 
・障害時の切り替わり時間
 設計書や仕様書に記載した内容と乖離がないことの確認が必要です。
 
・切戻し動作
 自動切戻しや手動切戻しの動作について、想定した動きとなっていることの確認が必要です。
 
・切り替わりの検知
 切り替わったことを検知するため、ログ出力やTRAP監視等で検知する仕組みを検討する必要があります。



まとめ

冗長化は、無停止での運用が要求されるシステムにおいて、非常に重要視される項目となります。
冗長化には様々な方式があるため、システムの要件や目的に沿った方式を選択することで、
システムの安定性と可用性を向上させることが可能となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。



引用元

https://e-words.jp/w/BIG-IP.html
https://e-words.jp/w/%E5%86%97%E9%95%B7%E5%8C%96.html
https://store.atworks.co.jp/webmanual/webbeagle/chapter_3.html
https://www.infraexpert.com/infra/bigip11.html
https://www.f5.com/ja_jp/products/big-ip-services/local-traffic-manager

T.N
T.N
部署名:プロフェッショナルサービス3部

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