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DXを推進するクラウド管理型サービスのJuniper Mistを知ろう

こんにちは。クレスコ・デジタルテクノロジーズの杉原です。
今回はJuniper Networksが提供する、クラウド管理型のネットワークソリューション、Juniper Mist(以下Mist)について紹介します。
 
「Mist」は、評価機関であるガートナーが発表する「Gartner® Magic Quadrant™」のWi-Fi部門で「Leader」に選出され、トップのテクノロジープロバイダーとして広く認識されています。
 
クラウド管理型の無線LANシステムとしては、米Cisco Systems, Inc.が提供する「Meraki」シリーズが非常に有名です。「Meraki」は導入の容易さに主眼を置いたシステムで、特に小規模な無線LANの構築に適しています。
一方で、米Juniper Networks, Inc.が提供する「Mist」は、AI(人工知能)と機械学習を活用して障害の予兆検知や原因の特定を自動化します。これにより、システム管理の工数が大幅に削減され、大規模かつ高度な無線LANの構築に適しています。

「Mist」を導入する最大のメリットは、AIによる「Wi-Fi運用自動化」がITエンジニアや情報システム担当者の生産性を向上させ、その負担を軽減することです。


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目次[非表示]

  1. 1.Mist AIを活用したフリーアドレスの実現
  2. 2.SLE(Service Levels Expectation)
  3. 3.Dynamic Packet Capture
  4. 4.Marvis AI
  5. 5.Mist AIを活用したJuniperの位置情報サービス
  6. 6.さあ、やってみよう
  7. 7.さいごに


Mist AIを活用したフリーアドレスの実現

フリーアドレスとは、オフィス内で固定席を持たず、ノートパソコン等を用いて自由な席で働くワークスタイルのことを指します。図書館の閲覧テーブルのように、個々の席が指定されず、空いている席を使用する形態です。その結果、オフィスにいない人のスペースを有効活用することができます。
 
フリーアドレスは、スペースの節約やコスト削減を目的に導入されることが多い一方で、従業員間のコミュニケーションの活性化や生産性の向上を目指す働き方改革の一環としても導入されています。
 
ITエンジニアや情報システム担当者の観点からすると、フリーアドレスを実現するための基盤となる無線設備に関連する課題に対処する際、Wi-Fi接続の不安定性やリモート会議の画面停止などのトラブルシューティングに多くの時間を割く必要があります。具体的には次のような業務が必要となります。
 
・利用者からの問題報告を詳細に記録し、パターンを把握する
・Wi-FiやPCのログを確認し、問題の原因を特定する
・問題を再現するために、利用者からPCを借りて反復的に再現性テストを行う
・ネットワーク機器や無線ドライバのアップデートを行う
 
しかし、「Mist」を使用すれば、これらの業務をAIがシステム構成を学習し、システム診断と改善作業を自動化します。また、ネットワークに問題を抱えたユーザーを特定し、ユーザーから申告がある前に問題を解決することも可能です。これにより、ユーザーの不満を生じさせないネットワーク環境を実現します。




SLE(Service Levels Expectation)

無線LANは、目に見えない電波を利用してネットワークを構築します。そのため、発生する問題は「物理的な要因(人や物の移動)」、「アプリケーション」、「ネットワークのボトルネック」など、多岐にわたります。

このような状況を考慮して、「Mist」のSLEでは7種類の指標を用いてAIによる視覚的なWi-Fi環境の解析とスコアリングを行うことが可能です。


 


Dynamic Packet Capture

ネットワーク技術者の皆さんにとっては、パケットキャプチャはよく知られた技術です。
これは通信パケットを収集し、詳細を把握することで、「ネットワークのどの部分で障害が発生しているのか」など、障害の切り分けを行う際に活用されます。
 
しかし、パケットキャプチャが行われている間、データ量は増え続け、ディスクストレージの肥大化が問題となります。そのため、「常時実行して無制限にデータを記録する」ことは、システムのコスト対効果という観点から見て適切ではありません。
 
通常、利用者からの問題報告を基にパケットキャプチャを行い、問題の再現性を確認します。しかし、無線LANは動的に変化する電波環境によりネットワークが形成されており、問題の再現性が確保できないケースも存在します。
 
「Mist」のDynamic Packet Capture機能は、AIがエラーを検知した瞬間に「自動的」にそのエラーのパケットキャプチャを行います。エラーの兆候(Clientイベントから識別可能)とパケットキャプチャのデータが存在するため、エラー原因の特定から始まるトラブルシューティングの工程を省略し、問題解決までの時間を短縮します。

これにより、業務の効率化が実現します。自分で判断できない場合は、後述するMarvis AIにエラー内容を送信し、機械的な判断を求めるのも一つの方法です。




Marvis AI

Marvis AIは、「Mist」のAI機能の一部で、「Marvis Actions」と「Marvis Chat」が主要な機能です。「Marvis Actions」は、ユーザーに大きな影響を与える問題を強調し、浮き彫りにします。「Marvis Chat」は、対話型のアシスタント機能を提供します。
 
Marvisは2016年から自然言語理解(NLU)と言語生成(NLG)を利用して自然言語処理(NLP)機能を強化しており、「Mist」のユーザーの意図を理解し、返答の質と価値を向上させる対話型インターフェイスを提供します。
 
対話型インターフェイスの利点は、プログラミングやコマンドラインの知識を必要とせず、OpenAIと同じように日常会話で問い合わせができる点です。さらに、Marvis AIは、「Mist」に特化した豊富なインシデントナレッジから最適な解決策を提示し、課題管理を行うことができます。
 
現時点では、日常会話の言語は「英語のみ」をサポートしていますが、ブラウザ向けの翻訳アドオンが無料で提供されている現代では、皆さんも問題なく利用できるでしょう。




Mist AIを活用したJuniperの位置情報サービス

「Mist」の無線アクセスポイントには、vBeaconという特許技術が組み込まれています。
この「Mist vBLEアレイ」は8本の「vBLEビーム」を送出し、高精度な位置情報を取得します。

この技術により、BLE(Bluetooth Low Energy)対応デバイスの位置を正確に計算することが可能です。
 
無線アクセスポイントはこの技術を利用して、スマートフォン(iOSデバイスやAndroidデバイス)に搭載された位置情報サービスを用いて、BLEセンサーを含むデバイスの位置を特定します。
 
物理的なビーコンとは異なり、vBeaconはバッテリー交換やメンテナンスが不要で、紛失や盗難のリスクもありません。さらに、「Mist」の位置情報ソリューションを利用することで、ショッピングセンターなら来店者のスマートフォンにクーポンを表示する、大型リゾートホテルでは目的地までナビゲートするなどの施策を展開することが可能です。

他にも、会議室に何人がいるのかといった情報も可視化することができます。これにより、新型コロナウイルス対策としても活用できます。





さあ、やってみよう

Juniper Mistを開始するには以下の準備が必要です。
 1.機器とライセンスを購入します。
 2.Juniper Mistのアカウントを作成します。
 
Juniper Mistのアカウントは無料で作成できます。GUIインターフェイスの操作感やMarvis Chatを体験したい時など、気軽に試すことが可能です。
 
「Mist」には5種類の機能ライセンスがあります。ライセンスの有効期間は海外出荷時から始まり、12ヶ月+1ヶ月となります。購入から利用開始までに1ヶ月の猶予期間があると考えると理解しやすいでしょう。






さいごに

株式会社クレスコ・デジタルテクノロジーズではワンパッケージ、月額定額料金で「Mist」を提供しています。 

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働き手不足の問題は年々深刻化しております。全ての業務を人工知能に委ねることはできませんが、人工知能が対応可能な業務の範囲は拡大しています。
これは、働き手不足に直面している企業にとって、大きなメリットとなり得ます。最新のトレンドである「AI」を実際に体験してみるために、PoC(実証実験)から始めてみることをお勧めします。
 
このブログを読んで、「Mist」にご興味を持っていただけたら幸いです。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

杉原
杉原
部署名:ストラテジックマーケティングオフィス

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