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OCIの新シェイプCompute E5の性能評価:ベンチマークテスト結果のまとめ

こんにちは。クレスコ・デジタルテクノロジーズのR.B.B.M.です。
今回は、Oracle社から新たに発表※1された、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)のCompute E5シェイプについて、従来のシェイプとの性能差を比較するためにベンチマークテストを行ったので、その結果をご紹介します。


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目次[非表示]

  1. 1.E5シェイプ提供開始
  2. 2.E5シェイプの詳細
  3. 3.テスト構成
  4. 4.ベンチマーク結果
  5. 5.まとめ
  6. 6.引用元​​​​​


E5シェイプ提供開始

2023年7月に新しいAMDのCPUを搭載した、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)のCompute E5シェイプをOracle社が発表※1しました。東京リージョンでも11月2日からE5シェイプの作成/利用が可能となっていたので、これまでのシェイプとの性能差を計測するため、ベンチマークテストを行ってみました。
 
そもそもOCIとは、Oracle社が提供する第2世代のクラウドプラットフォームで、最新テクノロジーとアーキテクチャを融合させ、高性能コンピューティング、堅牢なセキュリティ、クラウドネイティブサービスを提供するクラウドサービスです。

AWSやAzureと比べると後発のサービスですが、ミッションクリティカルシステムの要件を重視して設計されたOCIは、「第一世代のクラウド」と「オンプレミス」のより良い部分を統合し、様々なメリットを提供します。



E5シェイプの詳細

E5シェイプは、第4世代のAMD EPYC Processors(開発コード名:Genoa)、型番9J14が搭載されています。実際のOCI VMインスタンスでCPU-Z※2を実行した結果は以下です。
 
VM.Standard.E5.Flex(1 OCPU環境)のCPU-Z結果


第4世代EPYCは、Zen4ベースの新しいマイクロアーキテクチャを採用し、改良された性能を実現しています。
従来Zen3マイクロアーキテクチャから、Instructions Per Cycle(IPC)が13%向上し、新たにAVX-512命令セットにも対応し、演算性能を向上しているようです。
チップレット技術によって製造コストを下げつつ、CPUコア数を増やすことができるようになり、1つのパッケージに最大96個のコアを搭載可能にしました。これにより、ユーザーは複雑な処理や要求の高いワークロードに対しても優れたパフォーマンスが期待できます。
 
OCIのE4およびE5のシステム構成



テスト構成

ベンチマーク用にAMD2台と参考用にIntel1台のVMインスタンスを用意しました。各システム構成は以下となります。
 
インスタンス詳細


VM.Standard.E4.Flex(1 OCPU環境)のCPU-Z結果


VM.Standard3.Flex(1 OCPU環境)のCPU-Z結果


CPU性能の確認手法として、CPUレンダリングで定番のCinebench R23※3を使って、シェイプ毎の性能を取得します。
Cinebenchは、Maxon社によって開発され、主に3Dコンピュータグラフィクスおよびプロセッサの性能を測定するためのベンチマークツールの一つです。CPU性能を使用して、どれだけ早く3Dレンダリングを行えるかを測定するツールで、より高性能なCPUな程、結果の数値(pts)が大きくなります。


ベンチマーク結果

測定結果は以下となります。
 
VM.Standard.E5.FlexのCinebench結果


VM.Standard.E4.FlexのCinebench結果


VM.Standard3.FlexのCinebench結果


各結果をグラフでまとめると以下のようになります。
 
シェイプ毎の性能



まとめ

今回はCinebenchの結果だけでの比較となりますが、E5シェイプは、従来E4シェイプと比べ60%程性能向上が見られました。Intelシェイプと比べても33%程スコアが高く、Oracle社の資料※4の通り、コスパの良いシェイプのようです。
 
東京リージョンでもE5シェイプが利用可能となったので、ハイパフォーマンスが要求されるワークロードにおいて、これからはE5も考慮の対象となりそうです。
ただし、発表されたばかりということもあり、一部制限(DVHやバーストインスタンス未対応、大阪リージョン未リリース等)が存在します。また、E5はE4と比較して約20%高価(E3→E4は価格変更無)なので、検討の際は注意が必要です。


執筆時のVMシェイプタイプ毎の最低価格


※文中の会社名、商品名、ロゴは各社の商標および登録商標です。



引用元​​​​​


※1 https://blogs.oracle.com/oracle4engineer/post/ja-e5-std-instance-4th-gen-amd-epyc-processos

※2 https://www.cpuid.com/softwares/cpu-z.html
※3 https://www.maxon.net/en/cinebench
※4 https://speakerdeck.com/ocise/ociji-shu-zi-liao-konpiyutosabisu-gai-yao​​​​​​​​​​​​​​

R.B.B.M.
R.B.B.M.
部署名:ストラテジックマーケティングオフィス

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