
【図解】ネットワークの信頼性と可用性を向上させるメディアコンバータのミッシングリンク機能とは
エンジニアのR.Sと申します。趣味は雑談です。
今回はメディアコンバータのミッシングリンク機能について紹介したいと思います。
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目次[非表示]
- 1.メディアコンバータの概要
- 2.ミッシングリンク機能の概要
- 3.ミッシングリンク機能の仕組み
- 4.まとめ
メディアコンバータの概要
メディアコンバータは、ネットワーク通信において、異なるメディアを変換し接続する機能をもっており、ネットワーク設計の柔軟性と信頼性を高めてくれるデバイスです。
<主な機能>
●メディアタイプの変換
- マルチモードファイバーとシングルモードファイバーの変換
- UTPケーブルと光ファイバーの変換
- 1芯と2芯の光ファイバーの変換
●異なるデータレート(10Mbps/100Mbps/1Gbps)の変換
●伝送距離の延長
- UTPケーブルの最大伝送距離は約100mですが、メディアコンバータを使用することで、光ファイバーを利用して数キロメートルから数十キロメートルまで延長可
●ノイズ対策
- UTPケーブルはノイズの影響を受けやすいですが、光ファイバーに変換することでこれらの影響を回避
ミッシングリンク機能の概要
ミッシングリンク機能とは、リンクの状態(アップ/ダウン)を中継し、経路上で発生した障害をスイッチ製品に即座に通知する機能です。
片方のリンクで障害が発生した際、もう片方のリンクも連動してダウンさせることで、バックアップ経路への切り替えをスムーズに行い、ネットワークの冗長性を確保できます。
主な使用目的としては次の通りです。
- 障害検知の迅速化
- 不要なトラフィックの送信防止
- 冗長構成時のスムーズなフェイルオーバー
ミッシングリンク機能の仕組み
●正常時
正常時の通信フローは次の通りです。
- 両方のリンクがアクティブ
- 通信は主系(上側)の経路を利用
●障害発生時
【ミッシングリンク機能を使用していない場合】
そして、ミッシングリンク機能を使用していない場合の動作は次の通りです。
- メディアコンバータ→スイッチ#3間でリンク障害発生
- スイッチ#1が障害検知せず、上側の経路で通信し続けるため通信不可
●障害発生時/ミッシングリンク機能有り
【ミッシングリンク機能を使用する場合】
最後に、ミッシングリンク機能を使用する場合の動作が次の通りです。
- メディアコンバータ→スイッチ#3間でリンク障害発生
- ミッシングリンク機能により、スイッチ#1→メディアコンバータ間もダウン
- スイッチ#1がメディアコンバータ側のリンクダウンを検知し、自動的に副系(下側)経路に切り替わる
※冗長経路が正しく機能するかの検証はしっかりお願いします!
まとめ
ミッシングリンク機能を持つメディアコンバータを使用することで、冗長構成のネットワークでは、障害発生時にバックアップ経路への自動切替が可能となるほか、障害の早期発見と迅速な対応が可能となり、結果としてダウンタイムを最小限に抑えることができます。
今回は物理レイヤのお話になりますが、この機能はネットワークの信頼性と可用性を向上させる重要な役割を果たすものですので、ぜひ覚えておいてください。
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